はじめに

ぷらずも
みなさんこんにちは!
ぷらずもです。

エレキベア
こんにちクマ~~~

ぷらずも
今回取り上げるのは個人開発・小規模スタジオ向けのライセンス形態である Houdini Indie です!
こちらは 通常版とSteam版の2種類が存在する のをご存じでしょうか?
Houdini Indie 通常版

▲通常版
Houdini Indie Steam版

▲Steam版

エレキベア
おおう・・・Steamでも購入出来るのクマか

ぷらずも
2025/11現在Steam版の方が1万円以上安いので、どちらを使えばよいのだろうと悩む方も多いと思います。
自分もその一人でしたが、違いを知るためにもまずはSteam版を使用していました。
もうすぐ一年経過するので、今回は実際に使ってみて分かった挙動の違い について紹介しようと思います。

エレキベア
1万円以上の差は中々クマね・・・
購入時の判断材料として見てもらえれば幸いクマ~~~
Houdini Indie とは

ぷらずも
はじめに Houdini Indie を知らない人向けに軽く概要について記載します。

ぷらずも
Houdiniのライセンス形態としては大きく Core・FX・Indie・Apperentice があるのですが、Indieは個人開発・小規模スタジオ向けのライセンス形態になります。
ファイル拡張子が特有のものになりますが、機能としては VFX関連も含め基本的に全て使える ものになっています。
- 個人開発・小規模スタジオ向けのライセンス
- 機能はFXと同様で、VFX関連も全て使える
- hip、HDAファイルの拡張子が特有のものになる(hiplc、hdalc)
- Core、FXを使用したパイプラインに乗せることが出来ない

エレキベア
個人ユーザ向けに安く提供しているライセンスというわけクマね

ぷらずも
無料版であるApprenticeもありますが、そちらと比較した結果は以下のようになります。
Apprenticeで学習した後、FBX等のファイル入出力や本格的なレンダリングを行いたい場合 にIndieライセンスが必要になるといった流れが多いのではないかと思います。
- Apprenticeと比較した主なメリット
- FBX、USDが使用できる
- レンダリング解像度制限無し・ウォーターマーク無し

▲無料版だとファイルフォーマット・レンダリングの制限がある

エレキベア
ゲーム・映像用途どちらも本格使用するにはIndieライセンスが必要になるクマね
通常版とSteam版の比較結果

ぷらずも
それではIndieライセンスの通常版・Steam版の機能比較についてまとめます。
注意点として、通常版に関しては Apprenticeや会社で使用しているCore・FXを使用した際の挙動との比較 になりますのでその点はご了承ください。
比較結果まとめ

ぷらずも
ざっくりとカテゴリ分けして比較すると以下のような結果になりました。
なお 評価に関してはあくまで個人的なものになりますので、参考程度 としてください。
通常版・Steam版の比較結果(※2025/11時点)
カテゴリ | 通常版 | Steam版 | 個人的な評価 |
|---|---|---|---|
料金 | ・$269 (約41,000円) / 12月 ・$399 (約61,000円) / 24月 | ・29,949円 / 12月 ・45,520円 / 24月 | 〇 安い |
使用時間の閲覧 | ・(恐らく)見れない | ・プレイ時間が見れる | 〇 モチベ維持に有効 |
環境設定 | ・Launcher管理で統一出来る | ・Labs等自身で設定が必要 ・環境変数設定に多少の癖あり | △ 環境周りの理解は必要 |
起動方法 | ・Lisence Administrator経由で起動する | ・Steamサーバ経由で起動する | △ 遅い&面倒 |
バージョン | ・複数バージョン共存化 | ・最新バージョン固定 | × 検証で困る |
同一端末での多重起動 | ・多重起動可能 | ・多重起動できない ・HoudiniEngineのSession Syncからの二重起動も出来ない | × 不便 |

エレキベア
価格が安い分、環境回りや使用できるバージョンなどに制限があるイメージクマね

ぷらずも
基本的には通常版の方に軍配が上がるけど、利用時間が見れる点などはSteam版特有で面白い と思いました。
各カテゴリの違いの詳細についてはこの後の章で記載しますので、気になるものがあればご参照ください。
個人的な判断基準

ぷらずも
以上から、個人的な使用ライセンスの判断基準としては以下のようになりました。
- Houdini Apprentice (無料版)
- 学習用でレンダリングやゲームエンジンとの連携をしないならOK
- ライセンス管理も通常版に近い
- Houdini Indie (Steam版)
- 基本的に最新バージョン使用で、起動ラグが気にならないならOK
- 複数バージョン検証はApprenticeで行うという手もある
- 多重起動できない点にも注意
- 利用時間が見れるのは面白い
- 基本的に最新バージョン使用で、起動ラグが気にならないならOK
- Houdini Indie (通常版)
- 複数バージョン使用、ライセンス検証等行うならこちらの方がよい
- 環境設定なども楽したい場合にも検討

ぷらずも
Steam版を1年近く使っていますが、複数バージョン使用する場合にも検証用途であればApprenticeで行うことでカバー出来ていました。
複数バージョンを本格使用しない・起動時間がかかるなどの問題が許容出来るのであれば、Steam版でも十分 だと思います。

エレキベア
Apprentice版と併用して使用する、という手もあるのクマね
各カテゴリの比較詳細

ぷらずも
それでは各カテゴリの詳細内容について記載します。
〇 良いところ
料金

ぷらずも
まず料金については、圧倒的にSteam版の方がお得です。
特に2年分を一括購入する場合、通常版1年分とほぼ同額でSteam版が手に入ります。
- 通常版
- $269 (約41,000円) / 12月
- $399 (約61,000円) / 24月
- Steam版
- 29,949円 / 12月
- 45,520円 / 24月
※2025/11現在の価格

エレキベア
円安の影響でかなりの差が出ているクマね・・・
使用時間の閲覧

ぷらずも
そしてSteam版特有の機能として「使用時間の閲覧が可能」な点があります。
以下のように他のゲームと同様にプレイ時間が表示されます。

▲プレイ時間が表示される

エレキベア
ツールの使用時間を見ることはほとんど無いクマから、これは面白いクマね

ぷらずも
レンダリングで夜間放置などしていると使用時間が蓄積されて、見たときにしみじみとなります。
ゲームだと40時間プレイも長く感じますが、ツール使用だと時間蓄積のスピードが違いますね。
△ 気になるところ
バージョン

ぷらずも
バージョンに関しては、ProductionBuildがリリースされると自動で更新が走ります。
そのため、基本的には常に最新バージョンを使用し続ける ことになります。

▲ProductionBuildのリリースに合わせて更新される

ぷらずも
特定のバージョンに戻す、といったことは自分が見た限りだと方法は見つけることが出来ませんでした・・・。
もし、方法についてご存じの方がいましたらご連絡ください。

エレキベア
自動更新はいいクマが、切り替え出来ないのは不便クマね・・・
起動方法

ぷらずも
Houdiniの起動に関しては、License Administratorによる管理でなく、完全に Steamサーバ経由でのライセンス管理 になります。
Steamの起動も必須になるので、その分時間がかかってしまいます・・・。

エレキベア
Steam起動必須なのは微妙クマね・・・。
環境設定

ぷらずも
環境設定関連についてよく見かける点として 「Side FX Labs」の設定が面倒 といった情報がありますが、こちらは 自動設定されるかどうかの違いだけでパスを通しさえすれば大きな問題はありません。
むしろ環境設定周りの知識が身につくので、学習のいい機会にもなると思います。

エレキベア
環境周りの面倒なことを考えたくない場合には、デメリットになりそうクマね

ぷらずも
ただ注意点として、Macでshellから起動しようとした際に環境変数設定が上手く通らない、Steamを再起動しないと設定が反映されない といった挙動も見られました。
こういった Steam特有の仕組みにより通常版と同じように動作しない 、といったものが今後も出てくる可能性があることには注意が必要です。

【Houdini20.5】主要な環境変数と設定方法についてまとめる【Windows/Mac】【Steam版】
2025-05-05
※特殊対応:Steam版Houdini(Mac)の起動設定 の章にて解説しています。

エレキベア
Steam側に制御されてしまう部分も少なからずあるクマね・・・
同一端末での多重起動

ぷらずも
同一端末の場合は1ライセンスで複数のHoudiniが起動出来る のですが、Steam版の場合はSteam経由の起動となるため多重起動することができません。

エレキベア
一つしか立ち上げられないクマか
まあ基本的には問題なさそうクマが・・・

ぷらずも
普段使いだと大きく問題はないのですが、注意が必要なのが HoudiniEngineを使用する場合 です。
UnrealEngineの場合は「Open Houdini Session Sync」というボタンからゲームエンジン側で構築しているシーンをGUIで開くことが出来るのですが、こちらもライセンス認証に失敗して開くことが出来ません・・・。

▲主にデバッグ用途で使用される、シーンをGUIで開ける機能
▲ライセンス認証エラー

エレキベア
Houdiniを立ち上げながらHoudiniEngineを使用することも多々あるから、一々一つだけにしないといけないのは不便クマね・・・
おわりに

ぷらずも
というわけで、今回はSteam版Houdini Indieの挙動について紹介しました。
最初に購入するときにすごく悩んだので、情報として参考になれば幸いです!

エレキベア
DCCツールは値段が高いからじっくり悩んでほしいクマ
細かい挙動の違いがあるから、価格だけで選ぶのは要注意クマね

ぷらずも
ちなみに自分はもう少しでSteam版のライセンス期限が切れますが、
今後複数バージョンの挙動比較・ライセンス検証なども多々行うことになりそうなので、次回は通常版の購入を検討中です。

エレキベア
使用時間のカウントがされなくなるのだけが寂しいクマね・・・

ぷらずも
それでは今回はこの辺で!
アデュー!
【Houdini Indie】通常版とSteam版の挙動の違いをまとめる【2025年版】~完~








